建築・建築設計

F邸改修工事

〜古き良き・・・昭和の邸宅復元〜


【内  容】 木造2階建民家改修工事

谷戸の奥、鎌倉時代に創建され14世紀後半に廃寺となった跡地に佇むお屋敷があります。1927年(昭和2年)頃に数学理学博士の鎌倉別邸として建築されました。
四季折々の彩りを見せる庭園の小径を抜けた高台に木造2階建ての和館(約270m2)が建ち、当時の技術を駆使したと思われるモダンな造りの洋館(約116m2)の2階の応接間と土地の高低差を利用して接続されています。
この土地建物の遺贈を受けた方が長期的な保存管理方針を検討される中、今回は老朽化の激しい土台や柱等の構造材の交換・補強、離れと呼ばれていた茶室の復元、それに伴い水屋と待合を整える工事を行いました。
和館には取次ぎの間、読書室、書斎、使用人の間等の名残があり、どこでどのような時間が刻まれていたのか、想いも広がります。
一般非公開の建物になりますが、鎌倉に残る貴重な邸宅・別荘文化を大切に守り、伝え、復活させようという保全活動の一隅に参加させていただき、これからもこのような機会を生かして寄与してゆければと考えております。